2025年6月8日

【てんさい糖と、信州の未来】の写真1

先日、SBCニュースワイドで

特集していただいた

藤田九衛門商店・藤田治さんが作る

「信州産てんさい糖」

 

その姿勢と取り組みに深く共感し

このたび、そば懐石紡ぎでも

新たな挑戦として

コラボレーションさせていただきました。

 

藤田さんが育てるてんさい糖は、

ただの甘味料ではありません。

 

信州の大地に根差し

誠実に育てられた作物から

時間と手間を惜しまずに絞り出された

まさに“土地の恵みそのもの”。

 

その結晶は、手に取った瞬間から

その貴重な重さと

輝きが伝わってくるよう。

 

紡ぎでは、

食材との出会いを「縁」と考えています。

 

特に今回の藤田さんとのやり取りは

大切に育てられた娘さんを

お嫁にいただくような気持ちでした。

 

原材料のひとつひとつに宿る想いや

大地と向き合ってきた

御心への敬意。

 

たとえ小さなかけらでも

愛おしく、尊い存在です。

 

口に含めば

しっかりとした甘み

ふくよかで奥行きのあるコク。

 

精製された砂糖とは一線を画す

力強くも優しい味わいが

料理や菓子の表情を静かに

でも確実に変えてくれます。

 

藤田さんがふと語った言葉が

今も胸に残っています。

 

「死ぬまでに、

信州の特産にできたらいいかな」

 

控えめな言い回しの中に

強い覚悟と粋な人柄がにじみ出ていて

私たちは心を動かされました。

 

信州には、

こうした素敵な生産者さんが

本当にたくさんいらっしゃいます。

 

それぞれが、土に触れ

風に耳を傾け

命を育てるという営みを

日々続けておられる。

 

そうした方々との出会いが

私たち「紡ぎ」の料理を

そして表現そのものを

豊かにしてくれているのです。

 

今回の藤田さんの

てんさい糖との出会いも

まさに“紡ぐ”という

言葉の意味を

あらためて感じさせてくれるものでした。

 

料理というかたちで

紡ぎらしく

この想いと甘みを

お客様お届けいたします。

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