2024年5月18日

【夜懐石 和の出汁が紡ぐ春】の写真1

夜の帳がゆっくりと降りるころ

「紡ぎ」の懐石に灯がともります。

 

昼の光とは違う

しっとりと落ち着いた空間の中で

四季の恵みと向き合う夜懐石。

 

春の香りを閉じ込めた

そばがきの揚げ出しを

ご堪能ください。

 

そば粉と水だけで練り上げたそばがきを

ふんわりと揚げ

熱々の出汁に浮かべた一品。

 

外は香ばしく

中はとろけるような柔らかさ。

 

素材の力を引き出すのは

丁寧にとった和の出汁。

 

昆布と鰹の旨みがじんわりと染み込み、

口に運ぶたびに深い余韻が広がります。

 

あわせるのは

春の山菜コシアブラと

 

初夏に向けて美味しさを増す

太刀魚の天ぷら。

 

コシアブラの独特な香りとほろ苦さ

太刀魚の上品な脂と

ふわっとした身の柔らかさ。

 

それぞれの個性が調和し

春と初夏が交差する

季節の移ろいを感じさせてくれます。

 

東御市産の胡桃を使った

自家製胡桃味噌を添えて。

 

香ばしくすり潰した胡桃の風味と

ほんのり甘くコクのある味噌が

天ぷらに豊かなアクセントを添えています。

 

一口で、山と海

畑の恵みが一体となるような

そんな味の重なりに心がほどけます。

 

そのハーモニーを生み出す土台にあるのは

やはり「和の出汁」。

 

華やかさや強さで主張するのではなく

全体をやさしく包み込むような存在。

 

それはまるで

料理を紡ぎ、繋ぎ

人と季節を結ぶ

「橋渡し役」のようにも感じられます。

 

夜懐石は

昼とはまた異なる静けさの中で、

料理の香りや音、

温度までも繊細に感じられるひとときです。

 

一皿一皿を味わいながら

心をゆっくりほどくような

そんな時間をお過ごしいただければ幸いです。

 

「紡ぎ」の夜に、そっと寄り添う懐石を。

 

和の出汁が導く

春から初夏への

味の物語をぜひご堪能ください。

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