晴天の中
小川村の畑で
ネギの収穫を手伝う。
薄っすら積もった
雪の下には
黒々とした土の畝。
ザクッと
雪の上で踏ん張り
ネギを引き抜く。
一瞬の手応え。
グッと根が離れる感覚。
驚くほど
スッと抜けるネギの
美しい白肌と香り。
このふかふかの黒い土は
野菜の成長を見守り、
支え、育み、
収穫の今、この瞬間は
そっと背中を押し、
送り出しているかのようだ。
父のようであり
母のようでもある。
ああ、だから
母なる大地という言葉があるのか。
不思議と感謝の気持ちが溢れてきて、
「ありがとう」
「いただきます」と
感謝の気持ちを
何度も何度も心で呟きながら
ネギを引き抜く自分に気がつく。
野菜に
微生物に
おてんとうさまに
いつも感謝の気持ちを持って
自然に向き合っている
久保田さんの畑だからこそ
感じることができること。
私達にも真摯に向き合って
たくさんのことを
教えてくださるから
気付くことができること。
土の匂い。
野菜の香り。
風の音と鳥の声。
空は抜けるように青くて
紅葉が残る山々の向こうに
美しい冠雪が映える。
自分の中にある悩みが
いかにちっぽけなこだわりか気付かされ
元気が出てくる。
かく汗だって心地よい。
受け取ったものと
甘くて、旨いネギを
いち早くお客様にも
お届けしたいなと思う。
美味しいっていう笑顔と
ほっこり元気が出てくるような
「食」のワクワクを
ぜひ共有させていただきたいなと思う。
一緒に収穫してくださった
松代の野菜のカネマツのゆうさ君も
久保田さんはじめ
信州まごころふれあい農園の皆さんも
それから、泥だらけになりながら
嬉しそうに収穫していた大将にも
共に過ごすことができたことに
感謝の気持ちを込めて。
信州の美味しさを、
無農薬でまごころ込めて
育てられた野菜を、
ぜひ紡ぎでもお愉しみください。