2023年7月14日

【お福わけ】の写真1

修行先の
金沢のつる幸では


お席の担当(個室)をした人が
お客様からお心付けをいただくと


女将さんに報告して
担当した人だけでなく、
そのお席に料理運んだ人にも
分けてくださる文化がありました。


最初、すごく驚いてしまって
お姐さんがいただいた
大切なお金なのでいただけません、
とお伝えしたら


生意気言わずに
有り難くいただいておきなさいと
怒られました。


そのうち、私もお席の担当になって
お客様からお心付けをいただいて
女将さんにお渡しすると


時々、
「このお金でお子さんに
コロッケでも買ってあげなさい」と
そのままそっと
渡してくださったこともありました。


今思い出しても、
胸に込み上げるものがあります。


厳しくも深い愛情を持った
尊敬する女将さんでした。


紡ぎをオープンしてから
お客様からいただいた
お祝いやお心付け、
そしてお菓子は


感謝の気持ちを込めて
その日、
入ってくれたパートナーさんに
お福わけをします。


朝のお掃除に入ってくださった
パートナーさん。


接客や洗い物に入ってくださった
パートナーさん。


店主と私。


一緒に働いてくれる
素敵な仲間がいてくれるからこそ
良い時間が紡がれています。


お客様への感謝の気持ちと
仕事への誇りと喜びを
皆で共有できることは
本当にありがたいことです。


義務感ではなく
心から嬉しく思えることであり
喜びであります。


私の誕生日にいただいたお祝いを
パートナーさんにお福わけしたとき


「女将さんがいただいたものなのに、
良いのですか?」と
目を丸くして驚いた若いパートナーさん。


「あなたがいてくれたから
お客様の素敵な時間につながって
いただいたものだから
受け取ってください」と伝えると
両手で大切そうに受け取ってくれました。


「お福わけって素敵な言葉ですね。
良い言葉を教わりました。」と。


その気持ちと笑顔が、
この子のこれからの人生に
何かひとつ繋がればいいな、
と思います。


お客様のお気持ちに感謝して
こうして一緒に喜ぶことができる幸せ。


お客様に育てていただいていることを
感じています。


そう考えて、
行動できることの根っこに
つる幸の女将さんの
在り方があることを誇りに思います。


私の一生の宝です。


そして
「お福わけ」という
言葉を教えてくれたのは
駄菓子屋あいちゃんの
吉村雪子さんでした。


あいちゃんはいつもいつも
周りの方に「お福わけ〜」と言って
幸せを分けてくれる愛の人。


大好きな
尊敬する大阪の女性です。


とってもとっても
素敵な方です。


色んな方の「お福」が繋がって
広がっていくことが
心底嬉しく、愛おしい。


紡ぎ、繋ぐ。


皆様に育てていただいていることに
心から感謝申し上げます。

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