2023年3月7日

【いのちを、いただく 信州新町サフォーク 島田ご夫妻】の写真1

先日、信州新町で

サフォークを飼育していらっしゃる

島田裕生さん・純子さんのもとへ伺いました。

 

信州新町は、

羊毛の為に羊の飼育が盛んでしたが

化学繊維が広まったこともあり

ジンギスカンで町おこしをしようと

サフォークの飼育を始めた歴史があります。

 

島田ご夫妻は、

奥様の牧場を持ちたいという夢もあり、

地域おこし協力隊で信州新町へ移住され、

現在はご自身で建てた畜舎と放牧で

サフォークを育てていらっしゃいます。

 

どきどきしながら畜舎に入ると

賢くて好奇心旺盛なサフォーク達が

出迎えてくれました。

 

感じたのは

とても優しい目。

穏やかな表情。

 

島田さんご夫妻の優しさが

サフォーク達にも伝わっていることを

感じました。

 

我が家の息子たちも

緊張しながら

サフォークを撫でているうちに

凄く穏やかな優しい表情になっていました。

 

島田さんからお話をお聞きしました。

 

サフォークはペットではなく家畜であること。

役割はお肉になること。

だから

自分たちはその役割を

しっかり果たさせてあげなくてはいけない。

 

体調管理がしっかりできていなくて

良い羊に育たなくて

食べた人が、美味しくないと言って

残してしまうことが、

 

役割を果たせなくて死んでしまうことが

一番よくない事だと思う。

 

だから

役割を完結させてあげることが

自分たちの使命。

 

送り出すときは

「ありがとう」という気持ちで送り出す。

 

もちろん思い入もあるし、

寂しさもあるけれども

 

良いお肉になってくれてよかったね。

ありがとう。

役割を果たしてくれて

本当にありがとう、という気持ちで

送り出す。

 

私達も

サフォークに触れて

島田さんの想いをお聞きして

『いのちをいただく』ということの意味を

考えさせられました。

 

「食べることは生きること」

私達は植物も動物も

多くのいのちをいただいて、生きています。

 

私が生まれたころは、

もう家畜はいなかったけれど

祖父母や両親は

生活の中に、鶏や牛や豚やヤギがいて

卵や乳や肉をいただいていました。

 

いのちが常にそばにあって

いのちをいただくということが

身近にありました。

 

だから、

決して無駄にはしなかったのだと思います。

いのちの有難さを知っていたから

必要な分を、必要なだけいただく。

 

そうやって

いのちが繋がってきたのだと思います。

 

あたりまえのことだけれど

意識しないとわすれてしまうこと。

 

いのちに対して

誠実にいること。

 

いのちに向きあうこと。

 

感謝すること。

 

いただきますの意味。

 

島田ご夫妻の

サフォークに向き合う姿に

たくさんの事を教えていただきました。

 

そのあと、

お肉になったサフォークを見せていただきました。

私達も、子どもたちも

思うことがたくさんありました。

 

サフォークはとても価値のある

美味しいお肉です。

役割を果たすために

大切に育てられたお肉です。

 

紡ぎは

このいのちを無駄にしないように

召し上がった方の生きる糧になるよう

お肉に向き合っていきます。

 

試作した肉料理で、

サフォークの美味しさに驚かされました。

臭みがなくて、旨い。

 

試作を重ね、

宵の懐石 「至福」で

お届けしたいと思っています。

 

また、

島田ご夫妻が

サフォークの毛や革を

なんとか活用したいと

 

ムートンにしたり

革にしてくれるところを

必死で探したお話しもお聞きしました。

 

なかなかそこまでする方は

いらっしゃらないのだそうです。

 

でも島田ご夫妻は

いのちを無駄にしたくなかったのだなと。

その誠実さが伝わってきました。

 

ふと

『スーホの白い馬』という話を

思い出しました。

 

スーホと白い馬は

悲しい別れを迎えますが

夢にあらわれた白い馬の言葉の通り

骨や皮や筋や毛を使って

馬頭琴という楽器を作り、

沢山の人の心を揺り動かすというお話しです。

 

役割を最後まで果たせるように向き合う

いのちを最後まで尊重する

 

今の私達に

とても必要な事だと考えます。

 

島田ご夫妻は、

長野市にあるIVY productsさんに

毛と革を持ち込んで相談したとのこと。

 

このIVY productsプロダクトの店主の高橋さんが

革を愛するとっても素敵な方で

試行錯誤を重ねて

サフォークの毛はふかふかのムートンの座布団、

革は滑らかな手触りの素敵なショルダーバッグへ

あたらしい命を吹き込んでくれました。

 

息子たちと相談して

ムートンの座布団を

我が家にもお迎えしました。

 

いのちをいただくこと

いのちを大切に考えること

 

島田ご夫妻と

高橋さんから受け取った

いのちの大切さを

私達も大事にしていきたいと思います。

 

信州には

本当に素敵な匠がたくさんいらっしゃいます。

出会うたびに

幸せになります。

 

ぜひ皆さまにも

出会っていただきたいです。

 

島田ご夫妻

「ナガラボ」さんの記事

信州新町のヒツジにまつわるSDGsの取り組み

 

 

私が愛用するバッグを作ってくださった

笑顔が素敵な革職人の高橋さん

IVY products

 

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