2023年2月10日

【箸は「結界」】の写真1

先日、

箸の置き方について

初めてお客様からお声をいただいた。

 

気がついてくださったことが

心底嬉しかった。

 

箸は結界。

 

「一粒の米に7人の神様が宿る」

という言葉があるくらい

 

日本では

自然界の恵みである食べ物には

魂がこもっている=神聖なもの

という考えがある。

 

箸は神聖な自然界と

人が住む現実世界とを分ける

「結界」

 

そして箸は「橋」

 

いただきますと手を合わせ、

箸を取り上げることによって

結界が解かれ、

 

その2つが繋がり

自然の恵みをいただく。

 

生まれて初めて

このことに触れた時

すごく面白いと思った。

 

そして日本人の

自然界への崇敬と感謝、

命への感謝、

作り手の方々への感謝の心に驚かされ、

感動で胸がいっぱいになった。

 

紡ぎでは、

箸を箸置きにほんの少しだけ

かけている。

 

これからはじまる食事への

小さな緊張感の共有。

 

植物も動物も

育ててくれる自然界と

作り手の方々に

敬意と感謝を込めて

 

この食事が

召し上がる方の糧になるよう

祈りを込めて

 

私は「結界」を張る。

お客様に「結界」を解いていただく。

 

これは密かなおもてなし。

 

竹箸は本当に美しい箸で

作り手さんはご高齢の職人さんだ。

 

細くてしなやかな箸は

取り上げた時に、

そして

口に入れた時に心地よい。

感じる味が変わる程に繊細。

 

箸置きは、

「うわの窯さん」の作品。

 

初めてうわの窯さんの作品に触れた時

そのあたたかさに強く惹かれた。

 

ひとつひとつ、違うけれど

どれも内に光を秘めて

光っている様だった。

 

のちに

それが長野養護学校の

陶芸班の作品だと知る。

 

陶芸班の子たちは

できることがみんな違う。

 

それぞれができることを繋いでいって、

心を紡いでひとつの作品が出来上がる。

 

私達が

この箸置きに誓うことは、

 

紡ぎがたくさんの人の喜びに

繋がるお店になって、

 

その紡ぎで

僕たちの作った作品も

多くの人の喜びに

繋がっているんだという自信と

ものづくりの楽しさを

一緒に感じられる紡ぎであること。

 

小さくてもいいから

仕事の楽しさや

誇りに繋がる

ひとつのきっかけになれたら嬉しい。

 

毎日「結界」を張るたびに

そのことを考える時間を

もらっている。

 

陶芸班の子どもたちに

感謝を伝えたり

お客様の声を伝えるたび

キラキラした目で

話を真剣に聞いてくれる。

 

たくさんのエネルギーを

貰っている。

 

真っ直ぐな心に

恥ずかしくない様にいたい。

そういう自分で在りたいと

自分の心に向き合える。

 

 

言葉にすることは

私にとって、とても難しい。

 

怖いと思うこともある。

 

でも、チャレンジしようと

思えるきっかけをいただけた。

 

気付いてくださったことを

本当に嬉しく思う。

 

押し付けるのではなく

楽しんでいただきたくて

いつか言葉にしたかったこと。

 

うわの窯さん

https://www.facebook.com/tougeihan/?locale=ja_JP

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