2022年2月2日

【一幅の掛け軸】後半の写真1

開運!なんでも鑑定団の

ディレクターさんがいらっしゃった際に

 

父と母、私と夫で

はじめて揃って

この一幅の掛け軸にまつわる

エピソードを語り合いました。

 

祖母への父の想い。

その想いに対する、母の優しさ。

 

そして【衝撃のエピソード】

 

購入した掛け軸は祖母の家で

特別な日以外は大切にしまわれていました。

私ですら

ほとんど目にしたことがありませんでした。

 

あるとき、

家族で祖母の家に帰省した際に

事件が起こります。

 

当時、専用のポストに

牛乳を瓶で配達してもらっていました。

 

昔は

賞味期限は絶対的なものではなく

傷んでいるかいないかは

自分の味覚や嗅覚で判断していた時代でした。

 

帰省した私達が手に取った牛乳が

それがその日に限って

たまたま古いものだったそうです。

 

気が付かず

一口、口に含んだ幼い妹が

違和感を感じて

「ぷーっ」噴き出してしまった先に在ったのが

 

まさか

まさかの

 

たまたまその日に

カビないようにと陰干しされていた

その掛け軸でした。

 

そんなタイミングで

牛乳が痛んでいて

そんなタイミングで

噴き出した先に

掛け軸がかかっていた。

 

幼くて覚えていなかったけれど

この話を聞いたとき

正直に

うわあ、と思いました。

 

祖母と父が

相当怒っただろうと

思ったからです。

 

父が一大決心で購入した大切な掛け軸。

人一倍厳しかった祖母。

 

一体

どんな剣幕だったのだろう。。。?

 

恐る恐る聞いてみました。

 

しかし、父と母から語られたのは

驚くべき事実でした。

 

「子どもがやったことだから、

怒っちゃいけないよ」

 

誰よりも先に

祖母がそう言ったそうです。

 

一瞬信じられませんでした。

あの祖母が、怒らず、

妹を庇ってくれた。

 

なんで、そんなことしたんだ!

その一言が、

咄嗟に出てもおかしくない状況だったのに。

 

涙が溢れました。

 

祖母の優しさを知り、

そして

あらためて

家族の愛情の深さに気付かされたからです。

 

厳しかった祖母も

無口だった祖父も

父も、母も

私達子どもを

とても愛してくれていたのだと

胸がいっぱいになりました。

 

そのことを、

鑑定団の出演が決まって、

この掛け軸を皆で眺めながら

こうして知ることになるなんて

思いもしませんでした。

 

祖父母、そして両親のもとに

生まれてきて

本当に良かった。

 

祖父母にも

もっともっと

感謝を伝えたかったと

心から思いました。

 

また、たくさんの

山あり谷ありを乗り越えて

今まで深い愛情をもって

私達を育ててくれた父と母にも

感謝と尊敬の念が溢れました。

 

30年前に購入した掛け軸が

このような形で

また新たな物語に繋がっていくなんて

想像もしていなかったけれど、

 

そこに「優しさ」があると

幸せが紡がれていくのだと、

教えてもらいました。

 

今回、このような機会をいただき

番組スタッフの皆様にも

心から感謝申し上げます。

 

長野市での放送は3月27日ですので

「果たして、鑑定やいかに」ですが、

 

どちらの結果になっても

例え、万が一であっても

この一幅の掛け軸にまつわる、優しい物語を

家族でのお時間を大切にされるお客様に

そっとお話しできたらいいな、と思います。

 

私達夫婦は

2022年3月中旬に

善光寺、パティオ大門に

日本料理・そば懐石「紡ぎ」をオープンいたします。

 

「紡ぎ」という屋号には

たくさんの方のご縁を繋ぎ、

生きる糧となる、記憶に残る

時間・料理・おもてなしのある紡ぎで在り続けるという

願いが込められています。

 

紡ぎ、繋ぐ。

 

ご縁を大切に紡いでいきたい。

 

皆様とお会いできることを

楽しみにしています。

 

 

 

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