芸術家・北大路魯山人が残した有名な言葉です。
「器は料理を供すのに欠かせないものである。
料理の味や香り、盛り付けなどを引き立てる。
器は、料理の魅力を引き出し鮮やかに彩る服のようなものである。」
金沢の料亭での修業時代、
私は素晴らしい器達にたくさん触れさせて頂きました。
その頃から少しずつではありますが、
器屋や骨董屋に足を運び、器を買い求めております。
「いつか自分の店を持ったなら、
この器にはこんな料理を盛りたい」と
いつもワクワクいたします。
古いものから現代の作家物まで様々です。
昨年、縁あって長野の「うわの窯様」に出会い、
器を作っていただきました。
若きクリエイターたちが作業を繋ぎ、形となった器は
手に取ると、作り手の魂を感じました。
物事に裏と表があるように
人生に山と谷があるように
料理に強と弱があるように
器にも静と動があります。
受け取った器は「動」
躍動感があって、力強い器です。
その中に、とてもあたたかな優しさを感じます。
未来の自分の店で器を広げ、
懐石料理や信州そばを盛っている光景が頭をよぎりました。
素敵な器と出会いに感謝し、
私達らしく、新たな命を吹き込んでいきたいと存じます。