
試作を重ね
ようやくたどり着いた
「紡ぎらしさ」の答え。
それが、
茶の湯の文化に
古くから伝わる和菓子
「麩の焼き」でした。
麩の焼きは
薄く焼いた小麦粉やもち粉の生地に
味噌や胡麻、クルミなどを
巻いて仕上げる素朴なお菓子。
戦国時代、
茶の湯の第一人者であった
千利休もこよなく愛し
「利休百会記」によると
記録に残る彼の茶会の88回のうち
68回で使われたとされています。
そんな由緒ある和菓子を
私たちは信州らしく
そして「紡ぎ」らしく
仕立てました。
生地には蕎麦粉を使い
中には炒った蕎麦の実を
藤田さんのてんさい糖で
キャラメリゼしたものを包みます。
蕎麦の香り、蕎麦の実の食感
そしててんさい糖の
力強くも優しい甘みが
口の中でふわりと広がる。
蕎麦とてんさい糖が
互いを引き立て合うような
「和」の菓子に仕上がりました。
抹茶との相性も抜群で
ひと口ごとに深まる余韻があります。
茶の湯の世界で大切にされてきた
“間”や“静けさ”を
この菓子を通して
感じていただけたらと願っています。
6月16日は「和菓子の日」
このよき月に、
新たな挑戦をかたちにできたこと
そして信州のてんさい糖と
蕎麦という二つの恵みを
一つに繋げられたことに
心から感謝しています。
数に限りはございますが
ぜひこの機会にご賞味ください。
信州の風土と、茶の湯の心、
藤田九衛門商店さんの
新しいチャレンジ、
そして、
日本料理・そば懐石「紡ぎ」の
新たな表現を
どうぞお楽しみください。